今日もまた日が沈む。
太陽が眠りにつく彼方を見据えるたびに、溢れかえる記憶が風化してしまわないだろうかと不安に駆られることがある。
自身がこの場に繋ぎ止められている限り、そのようなことは起きようがない。しかし決して確信を得られることもなく、断言することができない。だからこそ彼女の身に降りかかる焦燥は尽きることがないのだ。
そして彼女は今日もまた、散らばった薄く細い糸を寄り集めるようにぼんやりと、己の心に落ちる影を辿る。
忘れないように。消え去らないように。己を見失わないように。
いつ破裂してしまうかもわからない、想いの丈を祈りに変えて――。
